コンビニ店舗においてN-impro、VRプログラムを実施した効果を評価した論文が、Australasian Journal on Ageing誌に掲載されました。このイベントは、地域おこしプロジェクト中で2018年3月22日に開催されました。「研究の要旨」では述べていませんが、VR教育プログラムとN-improを両方体験した参加者の方では、認知症への態度やコミュニティ意識の改善により大きな効果が見られました。現在、この取り組みを発展させ、VRを活用した認知症に対する意識を高める教育プログラムを開発中です。
【掲載論文】Sari DW, Igarashi A, Takaoka M, Yamahana R, Noguchi-Watanabe M, Teramoto C, Yamamoto-Mitani N. Virtual reality program to develop dementia-friendly communities in Japan. Australasian Journal on Ageing. Australas J Ageing. 2020 Jun 2. doi: 10.1111/ajag.12797.
(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/ajag.12797)
【研究の要旨】目的:認知症にやさしい地域は、地域のまとまりを強め、地域におけるエイジズム(年齢に対する偏見)を軽減する。この研究では、認知症バーチャルリアリティ(VR)教育プログラムの実施により、認知症に対する態度や地域の高齢者への支援に関する「コミュニティ意識」へ及ぼす効果を検討することを目的とした。方法:首都圏の2つのコンビニエンスストアの駐車場で、認知症のある方の一人称体験を提供するVR教育プログラムを実施した。教育プログラムの前後に、認知症に対する態度と参加者のコミュニティ意識を調査した。結果:研究参加者は42人だった(平均年齢= 48歳)。教育プログラムの前後で、認知症に対する態度とコミュニティ意識の合計得点が改善した(p = .004、p <.001)。結論:認知症への理解を促す教育プログラムにより、認知症のある方に対する地域住民の支援を強化できる可能性がある。