★プロジェクトによる論文が学術誌に掲載されました★

プロジェクトにおいて、支援や介護を必要とする地域高齢者が生活の中でどのようにコンビニエンスストアを利用しているかについて調査した論文が「老年社会科学」(http://www.rounenshakai.org/)に掲載されました。

この論文は、第59回日本老年社会科学会大会(2017)でポスター発表した内容に基づいてまとめたものです。

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訪問介護サービスを利用する高齢者のコンビニエンスストア利用の実態―コンビニエンスストアが生活支援の役割を果たしている事例に関する質問紙調査―

五十嵐歩、松本博成、鈴木美穂、濵田貴之、青木伸吾、油山敬子、村田聡、鈴木守、安井英人、山本則子

老年社会科学 2018. Vol.40-3 p.283-291

【要旨】

本研究は、訪問介護を利用する在宅高齢者におけるコンビニ利用の実態を把握することを目的とした。東京都A区において調査協力への同意が得られた訪問介護事業所および小規模多機能型居宅介護事業所の管理者(n=28)を対象とし、コンビニが生活支援の役割を果たしている利用者の事例に関して、利用者特性やコンビニの利用状況を問う質問紙への回答を依頼した。対象事業所より64事例について回答があった。事例の利用者は、平均年齢77.6±11.4歳、男性30名(47%)であり、要介護1(31%)と要介護2(30%)が多かった。一人で来店する者が68%であり、徒歩での来店が75%を占め、購入品は弁当・パン・惣菜が最も多かった(91%)。ADL障害のある者はない者と比較して、サービス提供者の同行が多く(p=0.001)、車椅子等徒歩以外の来店割合が高かった(p=0.018)。サービス提供者は、日中一人で過ごす者(p=0.064)とADL障害がある者(p=0.013)に対して、コンビニの存在をより重要と評価していた。

「N-improファシリテーター認定バッジ」&「地域包括支援センター連絡先マグネット」

ジャーン!つ、ついに!「N-improファシリテーター認定バッジ」&「地域包括支援センター連絡先マグネット」が完成しました!!

認定バッジは、N-improファシリテーター養成講座を受講した新ファシリテーター様へお配りします!バッジをつけていただき、N-improを活用した地域づくりにご活躍いただきます。

マグネットは、そのファシリテーター様が開催するN-improゲームを体験してくださった店舗へ!

お店で高齢のお客様に関する困りごとがあった際にすぐに地域包括支援センターに連絡できるよう、このマグネットをご活用いただきたいと思います。

これからもN-icoちゃんマークを目印に、高齢者に優しい地域づくりを進めてまいります!

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練馬区立貫井図書館でN-improワークショップを行いました

 平成30年9月18日(火)、練馬区立貫井図書館でN-improワークショップを行いました。参加者は練馬区立図書館で勤務している図書館流通センターの職員の方々、計22名でした。今回は当プロジェクトで開発したN-improファシリテーター養成講座を受講した中村橋地域包括支援センターの職員の方2名が、ファシリテーターとして参加。N-improを実施する中で地域包括支援センター(以下、包括)の役割や高齢者の方々への対応をわかりやすく説明してくださいました。

 ワークショップでは認知症ミニ講座の後、N-improのゲームを行いました。各テーブルでは、実際に図書館で起きた事例や、図書館だったらこんな対応をしたとの話を交えながら様々な意見交換ができました。

 参加者からは「図書館に認知症かな?と思われるお客様がいても、声掛けはしなかった。包括に相談できるとは知らなかったため、今後対応に困ったときは連絡したい。」「図書館は高齢者の利用が多いため、包括やケアカフェなどの高齢者向けの案内ができたら良い。」などのご意見をいただきました。また、貫井図書館の職員さんからは、包括に相談をしたことで介護サービス等の支援につながった事例の紹介がありました。

 図書館は高齢者の利用が多く、対応に困った事例も聞かれましたが、警察や救急車を呼んだことはあっても包括に連絡したことはほとんど無かったそうです。N-improワークショップを通じて高齢者への理解や関心が深まったとともに、包括の役割を認知していただけたため、困りごとを抱えた高齢者の支援につながるきっかけになったのではないかと感じました。

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★7/12 大泉学園まちネット主催 N-impro体験会★

平成30年7月12日(木)、練馬区大泉学園町で、大泉学園まちづくりネット(OMN)主催の「地域高齢者を支えるコンビニエンスストア~N-impro(ニンプロ)体験と地域ネットワークづくり~」を行いました。

参加者は、大泉学園地域で活動する様々な職業・立場(コンビニ店員、介護サービス事業者、町会・商店会、図書館、地域包括支援センターなど)の方、計54名。

出張研修は、地域の方が認知症の方に接するに当たって役に立つ認知症の原因や対応の仕方などの簡単な講義からスタート。

後半は、6グループに分かれ、認知症への理解を深めるカードゲーム式研修プログラム「N-impro」のワークショップを行いました。

ワークショップの各グループでは様々な意見が飛び交い、

「コンビニ従業員だが、このようなイベントがなければ認知症について深く考える機会がなかった」

「認知症の方に丁寧に対応してあげたい気持ちがあるが、コンビニ店長という、立場上難しいジレンマがある。」

「コンビニとしても、このような地域を支える方々とのつながりがもっと増えていくと嬉しい」

など、様々な感想が挙げられ、とても活気のある研修となりました。

研修プログラム「N-impro」は、認知症の方への対応力を高める一方、地域を支える支援者の方々との関係を深める目的もあります。

今回、コンビニ関係者をはじめ、日頃から高齢者と接する機会の多い様々な職業・立場の方が一堂に会しました。職業や立場の違う方同士が同じグループになったことが、より活発な意見交換に繋がったように感じました。

この機会をきっかけに認知症の方を支える地域ネットワークが少しでも広がったのであれば嬉しいです。

これからも地域の高齢者を支える方々の出会いと交流の場になるよう、様々な立場の方が参加できる取組を進めていきます。

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日本老年社会科学会第60回大会

平成30年6月9日~10日に日本教育会館で開催された「日本老年社会科学会第60回大会」において、ねりまコンビニ協働プロジェクトの取り組みを発表しました。内容は、プロジェクト開始時に実施したアンケート調査の結果に関する報告です。

今回の聴衆は老年学の研究者が中心でしたが、地域包括ケアにおけるコンビニエンスストアの役割の重要性を理解し、プロジェクトに強い関心をもっていただけたようでした。

練馬区内でプロジェクトをたくさんの方に知っていただき、N-improを活用していただける活動を進めるのと同時に、区外へのプロジェクトの紹介も積極的に行っていきたいと思います。

発表スライドは以下のURLでご覧になれます。

https://drive.google.com/file/d/1AYNuKJsZgnjg1olTp-TWy-jG46ctaa7L/view?usp=sharing

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★3/22(木) ミニフェスを開催しました!★

平成30年3月22日(木)に、区内コンビニエンスストアで、認知症について楽しく学べるカードゲーム形式の研修プログラム「N-impro(ニンプロ)」や、認知症VRが体験できるイベントを開催しました。

前日までの雨雪が止んで気温も上がり、同時開催の2店舗いずれにも多くの方にご参加いただくことができました。

参加した介護職の方からは「コンビニは、高齢者が日常的に利用する場所であるという認識はある一方で、従業員の方との接点がなかなかない。これを契機に、認知症の疑いのある常連のお客様等が、地域包括につながるようになればありがたい」というお声をいただき、今回のようなイベントがコンビニと地域包括・介護事業所等との関係づくりに大いに活用できることを実感できました。

私たちはこれからも、さまざまな活動を通じて、地域ぐるみで高齢者に優しいまちづくりの実現に取り組んでいきます。 

※「N-impro」の受講を希望される区内のコンビニエンスストアへの出張体験会も実施します。

詳しくは、練馬区協働推進課協働推進担当係(電話:03-6757-2025)へお問い合わせください。

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「N-impro(ニンプロ)」完成発表・体験会を開催

平成30年3月12日(月)に、練馬駅北口ココネリで、「N-impro(ニンプロ)完成発表・体験会」を開催しました。当日は、第1部の「N-impro」完成発表会に123名、第2部の「N-impro」体験会に69名と大変多くの方々にご来場いただきました。

第1部では、「N-impro」開発の経緯、ゲーム内容の説明、これまでの取組と今後の事業展開を発表しました。私たち「ねりまコンビニ協働プロジェクト」の活動の目的を多くの方々に知っていただくことができました。

第2部では、「N-impro」をご来場いただいた方々に実際に体験していただきました。介護職の方やコンビニ関係者等、様々な職種の方々が参加されたこともあり、立場の異なる方からの意見が得られ活発な議論となりました。参加者からは、「地域とコンビニが連携することで、認知症の方をスムーズに関係機関につなぐことができると感じた。」、「実際に職場で研修ツールとして使ってみたい。」という声が得られました。

今後は、高齢者相談センター、コンビニ店舗、介護事業所等へのゲーム一式の配布や出前講座の実施により、普及活動を進めていきます。

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「練馬つながるフェスタ2018」に出展しました

平成30年2月12日(月・祝)に、練馬駅北口ココネリで、「練馬つながるフェスタ2018」が開催されました。私たち「ねりまコンビニ協働プロジェクト」は認知症カフェの1ブースとして出展し、認知症について楽しく学べる研修プログラム「N-impro(ニンプロ)」の体験会を行いました。

短い時間でしたが、子どもから高齢者まで多くの方々にゲームの体験をしていただきました。「認知症の方に対してどういった対応方法をすべきか考えることができた」、「地域包括支援センターってどんなところなのか初めて知った」、「認知症の方への対応で困ったときの連絡先がわかった」などの感想をいただきました。

今日の「N-impro」体験会は、私たちの取組の目的、活動内容を一般の方に知っていただく良い機会になりました。

地域ぐるみで高齢者に優しいまちをつくるため、これからも多くの方々に私たちの活動をPRしていきます。

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プロジェクトに関連する論文が国際誌に掲載されました

コンビニエンスストアにおける認知症サポーター養成講座の受講がその後の地域包括支援センターとの連携につながることを検討した論文が、Geriatrics & Gerontology International誌に掲載されました。

【掲載論文】Matsumoto H, Igarashi A, Suzuki M, Yamamoto-Mitani N. Dementia education is the first step for cooperation: An observational study of the cooperation between convenience stores and community general support centers. Geriatr Gerontol Int. 2020 Aug 7. doi: 10.1111/ggi.14000.(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/ggi.14000

【研究の要旨】目的:認知症サポーター養成講座は認知症の啓発を目的として,主に地域包括支援センターによって実施されている.コンビニエンスストアは日本全国に普及しており、高齢者の日常生活に重要な役割を果たしている.そこで,本研究ではコンビニ店舗の認知症サポーター養成講座の受講が、店舗と地域包括支援センターの連携を促進するかを調査した.方法:全国調査のデータを用いて,縦断的観察研究を行った.各店舗に「認知症サポーター養成講座の受講」と「地域包括支援センターとの連携」の有無を尋ねた.2016年に養成講座を受講した店舗(受講群)と受講しなかった店舗(非受講群)とで,2017年と2018年の包括との連携の割合を比較した。結果:2016年に,14,884店舗中542店舗が受講した.地域包括支援センターと連携した店舗の割合は,受講群では8.1%(2017年)と7.2%(2018年)であったが、非受講群では3.2%(2017年),4.0%(2018年)であった.結論:認知症サポーター養成講座は,コンビニと地域包括支援センターが連携して高齢者支援を進めるためのきっかけになる.